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鯛ゴムカブラ釣り |
本来は夏のエサ取り(ベラ,ハゲ,フグ)の多い時期に適した釣り方である。特に水深の浅い,エサの多い場所で本領を発揮する。昔は7匁から8匁の針付きオモリに赤いゴムを1本付けただけのものだった。 |
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| カブラ釣りの季節 |
春,ゴムカブラ釣りとしては,シーズン初めという気分。産卵が終わった鯛から食い始まる感じで,表層温度が14℃というのが目安である。春は水温が低く濁りが少なく,深場から釣れ出す傾向にある。鯛も慎重に食い出すようだが,この時期の餌であるイカナゴが終わり,海中のエサが少ないなか,バフンウニ,カニ類,ヒトデ類,フジツボ等が胃の中に見られ,中にはナマコを口から出していた鯛もいたほどである。
春後半の梅雨前にはよりいっそう深場を攻める。手釣りでは120m位まで攻めることもある。エサ(青イソメ)釣りでは140mまで攻めたこともある。ゴムカブラ釣りでは深場ほど誘いにムラが無くなり,やり取りも長いラインがクッションとなりやりやすい。一年の中で一番釣りやすい時期だ。
夏に入ると水温も上がり,エビや小魚などエサも豊富になるが,鯛もあちこちに散らばり固め釣りとはならない。しかし活性も良いので引きのやりとりには迫力が出て,おもしろい。特に水深20m前後で釣るのがおもしろい。エサ取りにつつかれながら,突然根に掛かったような引きにはびっくりさせられる。仕掛け回収中にハリス近くでいきなりヒットとか,水中で鯛が食いつく瞬間がみれるのではないか,という水深である。水温上昇で水濁りも出やすく,浅場を中心に攻めなければならなく,迫力があるがやり取りの難しい時期である。
秋に入り,エビエサの釣りが多くなり,水深の深いポイントでもカワハギ等エサ取りが多くなる。また,エサ取りは鯛以外の小魚だけではなく小さな鯛もエサ取りの部類に入るので,深くてエサの取られやすいポイントは敬遠しやすい。この時期は一日を通して予定の数を釣ればよいと考えている。潮具合の良いところを回って,移動する毎に小さな鯛でもキープしながら本命ポイントでは確実にキャッチしたい。
鯛は冬に入れば秋に比べてよりいっそう群を作り,南下するものは南下し,越冬する魚は大きな群になりやすい傾向にある。また,エサ取りのカワハギなどは少なくなる。しかしながら,水温の低下と共にアタリが多くなるが,口を開けなくなるのか浅掛かりが多くバラしが多い。サイズの良い鯛でもアタリを出してからも下を向かない場合が多いようである。なんと言っても一年の中で12月から2月頃までは釣るのが難しいうえに鯛の味が良く,濃くて絶品であり,この釣りは冬の鯛を釣るために春から秋までは練習,という感覚である。
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| ビシ道具 |
ナイロン12号がゴムカブラ釣りの基本である。現在使っているのはナイロン12号部分が約60m。60〜120m部分はテトロン12号を使用。テトロン,パラゴン,カーボン等は伸びが少なく,掛かりにくくバレやすい。水深,ラインの太さ,狙う魚によってビシ(小さいナマリ)の大きさや間隔は自然と決まってくる。「鯛は道具で釣る。」と昔から言うように,全体のバランスが大切となる。
水中のラインはいわゆる水中抵抗があるので,一定のビシ(鉛)を一定間隔のままではシャクリを入れてもフワッとなるだけである。しかし,一定ナマリを下ほど密にしても深場で通用せず,せいぜい30mが良いところである。下ほどビシナマリを大きくしただけでも性能は変わらず,経験上下ほど間隔を広げつつビシナマリサイズを大きくした方がよい。道具にもよるが,漁師の間ではクダビシと言われる先糸とか大ビシとかを約8〜12mほど道具によって付ける。ビシナマリの大きさ,間隔の組み合わせは色々あるだろうが,現在ビシ道具は5種類をブレンドしている。カブラは8匁でほとんどの水深をせめており,鳴門海峡では時には120mまで攻めている。
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| 底とり方法と底とり |
底とり方法は2通りある。手でラインを持って軽く上へしゃくり上げ,その時の重さで先のカブラが着底しているかいないかを感じ取る方法。もう一つは上方へしゃくり上げる,というよりはじき上げる様な感じで,止めるとラインが下方へピンと張る。そして遅れてカブラがトン!と指先に反応する。しゃくるとコンコン,っと2回指先に反応がくる。カブラが着底するとカブラの反応が無くなり,「コン」と1回だけの反応になる,という底とりの仕方だ。潮の流れ方や底とりの仕方でも微妙に反応の仕方が変わってくるので,どちらの方法とも言葉で表現するのは難しい。
底とりはエビカブラと違って疑似エサだけにもっとも神経を使わなくてはいけない。エビカブラの場合は底でひこずり気味でもエビが踊っているようになるので,魚の興味はひけるが,疑似エサは止まればただの人工物になってしまうので,着底後すばやく底から逃げ上がるような誘いが必要のようだ。大抵の魚信はカブラが底から離れてすぐ,1m以内にいわゆる前アタリと呼ぶ魚信がでる。まるで下向きに着いてきて上へ逃げるエサをつつく感じがする。
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| 誘いとあわせ |
着底からエサが逃げるような感じで,スムーズに10mほど誘い上げる。この時,少しでも乱れないように誘い上げなければならない。ナマリにできる反転流を常に一定に作るためである。スピードが乱れると,反転流が一瞬でも消えてしまいアタリが出ない。魚の口は人間で言う手のようなものなので,目の前まで来て口で触ろうとするため,カブラの動きが乱れればさわって(いわゆるアタリ)くれないように思われる。逆にその時点で動きを良くすれば,アタリ(前アタリ)が出なくても,魚は興味を持って,追いかけてくるだろう。目の前にカブラが落ちていく時もあれば少し離れた所にいた魚が見つけてカブラを追いかけて来るという,いろんなケースが考えられる。
魚のアタリは,
@ 反射的な反応。動きを見ようと,港の底の見えるような所で大きなジグなんかを動かすと,小さなベラ,トラギス,小ハゲ,メゴチ等がつつきに来る。小さな魚でも反射的につつきに来てしまう。
A テリトリーを守ろうとする行動。
B そして,エサだと思いつつきに来る行動。ゴムカブラは昔はゴカイに似た小動物に似せて始まった釣りで,ゴムに動きをつくるということに重点を置いた方がアタリが多く感じられる。魚が「これは食べれるかどうか?」と確かめるように口を使ってアタリを出してくる。この時ゴムが伸びるような感覚が手に伝わってくる。その後,2度3度アタリが出て,それが針に当たるまで「無理食い」してくるようで,最後にはやはり自分のテリトリーに帰ろうとして(エサを持ち帰ろうとする行動かもしれない),口を大きく開け反転するとき,魚は下を向き,そこへ上を向いている針が掛かるというのが理想である。この時手釣り,竿釣り双方ともスピードを緩めず締め込むと言うのがアワセである。他の釣りのように決して竿でシャクリ上げるということはしない。
釣りのアワセという点では全てに通じることであるが,時にはトリプルフック等を使い,引っかけると言う感覚でシャクリを入れタチウオ等を釣る場合はあるが,ほとんどの場合そのまま締め込むまで待つ,というアワセがよりいっそう深く釣りがかりするだろう。シャクリあわせをすると,魚が上を向いている状態なので,掛かってもうす掛かりしやすく,ばれやすい。なお,大物ほど釣りやすく,小物ほど釣りづらい傾向にあるが,口が大きいか小さいかの差だと思われる。底魚・根魚等は非常に掛かりがよいが,口が大きく,底で一撃でエサを獲るからだと思われる。
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| カブラについて |
基本的には針が付いてゴムが付いていれば良いのだが,やはりナマリは小さい方が良い。8匁と10匁,たった2匁でも差が感じられる。カブラは疑似エサだけに出来ることは出来るだけ気をつかうと言うのが大切で,手を抜くと必ず釣果に響いてしまう。色の濃い薄いとか,ゴムの柔らかさによっても釣果が変わってくる。昔から赤ゴムは大きいのが釣れるといわれているが,おそらく水中では赤という色が見えにくいのではなかろうか。大きい鯛は眼がよいのかどうかではなく,小さい魚は気が付いてもカブラが底からかなり離れていて,追いかけて来にくいのではないだろうか。大きければひと泳ぎで追いつきやすく,テリトリーに帰れるのではと想像できる。逆に目立つと言えば白だが,釣り人の感覚ではオレンジ色系を使いたくなる。
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| 釣りの方法 |
ビシ道具にナイロン12号を使用するのは掛かりと食い込みを良くするためで,これがテトロンやパラゴン等,伸びの少ないラインを使うとアタリが明確に出るが,魚にも釣人の反応が敏感に伝わり,前アタリから本アタリにつながらなかったり,ゴムカブラの動きがギグシャクし,アタリが出にくくなる。しかし,道具自体に伸びがあれば,底とりが難しくなってしまう。そこで,大ビシ中ビシ小ビシをうまくバランスを取り,ラインのハリをしっかり作るのが必要だ。”鯛は道具で釣る”といわれるのは,カブラ針だけではないということ。竿を使用する場合もあり,天秤を使ったり,ショートロッドで釣る方法がある。10〜20mのビシを付けたいわゆる「手釣り+竿釣り」という釣り方もあるが,どちらも長所短所があり,うまく使いこなすと手釣りに負けず劣らずの釣果につながることもある。
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| 針掛かり |
魚の口のどこに針が掛かっているかは釣り人にとって重要である。口のどこに針が掛かっているかで活性の善し悪しとかも判断する。魚の大・小によって針の大きさ,針の位置なども考えてセッティングしたい。釣り慣れれば慣れるほど,ゴムの長さは短くして,針掛かりを重視する場合が多い。慣れなければ大きなエサで目立たせいというのが釣り人の心境であるが,生きエサを使う場合でも大きければ大きい程良わけではないのと同様である。仕掛けは自作すれば腕の向上が年々感じられるようになるだろう。ゴムカブラは見えなくなる方が良いとは言えないが,あまり目立っても良くないだろう。針を2本にした時期もあったが,掛かったり外れたりする確率は変わらなかったと思われるし,逆に薄掛かりが多いようにも思う。針が多い分,前アタリ時に針掛かりする事が多いのだろう。
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| ゴム質について |
前アタリ時にゴムが硬ければ違和感を感じるのか,泳ぎが悪いのか,アタリ自身少なくなり,追い食いも少ないようだ。ゴムは大小数本付けるが,中でも短いゴムには気を付けたい。ゴムカブラの一番の特徴と言って良いと思うが,細く薄い物でないとナマリの反転流をうまく利用できなくなり,魚の興味を引く動きが出なくなる。潮の動きの良いときにはカブラの形状等にこだわらなくて良いだろうが,アタリがない場合は針やカブラにその原因があると思われる。
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| ハリスや針など |
ハリスは現在活性の良い時などはカーボン4号,冬場などは3号,食い渋る時は2号まで落とした時もある。しかしながら夏場でも5号は使うことはまず無い。4号ハリスをラインブレイクする鯛はまだ出会っていないというか,ラインが痛んでいない限り針の方が伸びるか,折れることが多いからである。5号を使うとハリス自体が硬くなり,アタリの減少や,やり取り時のクッション性が下がり,余計に切れることが多くなるようである。矛盾しているようだが,魚の引きはラインを引っ張りきったところで頭を振るような引き。一瞬だがとんでもない力を感じる。カブラのくくり目は慎重に締め込むが,上下の繰り返しの釣りなので,くくり目だけが折れ曲げの繰り返しといって良い。ある程度の間隔でくくりかえは必要。まずまずのサイズでも釣り終えた後にくくり目が潰れていることもあるのでくくりかえをする。
この釣りは針が一番悩むところ。掛からない,外れるというのが多い釣りで,少しでも掛かりの良い針を探すがなかなか無い。昔は漕ぎ針という針があり使っていたのだが,その針でも確実というわけでもなかった。カブラを水になびかせ,短いゴムが暴れている中,長ゴムの中程より少し後方で針先が揺れないと言うのが理想で,揺れをなくすにはそで部を少し長めにすると良い。しかしあまり長くすると外係りになり,バラしの可能性も大きくなる。要するに針先から針のくくり目の長さと向きが非常に難しい。
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| ポイント選び |
手釣りでは手繰る感覚で二枚潮とか流れの速さを感じ取れる。前アタリや釣れて上がってくる魚の種類でそのポイントの状況が想像出来る。例えばガシラが多く釣れるのは岩場。キスのアタリ,フグのアタリ,イシモチ,ヒラメ等は砂地,またイシモチやチヌが多い時は濁りが大きい。この釣りの場合,基本的ににおいや味で誘うわけでないので水が濁っていると良くない。特に濁りがきついと,カマスやタチウオしか釣れず,キス,フグ,ヒラメやマゴチが釣れる時は鯛がいない場合が多い。うれしい外道だが,この釣りにおいては残念な状況である。さっさとポイント移動するのが賢明である。
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| 鯛のアタリ |
口で確かめるようなアタリを出す。竿釣りの場合,両軸リールで誘えば割とスムーズに誘えるが,竿はしなりがあるので魚がくわえる,あるいは引っ張ると言うようなアタリの時点で,しなりに伴いカブラが減速してしまうと違和感を感じるのか,次の本アタリにつながらないということが多い。これは手釣りでやると痛感する。コツッ!とアタリを感じたとき,手元で仕掛けが止まったり少し滑ったりしただけで次のアタリが無くなる場合がほとんどである。しかし,ミスをしたとしても次の誘いあるいはその一匹だけでなく,二匹が追いかけてきているかもとか,違和感を感じつつ食い直すときもあるので,しっかり誘いきる方がよい釣果につながる。
電動リールを使っても案外食ってくれる。ゆっくりした誘いでアタリが出た瞬間,一瞬減速されるが,感情のない電動リールはそのまま巻き続け,カブラがスムーズな動きをするので,予想以上にアタリも出るし,案外釣果も良い。人の手で誘うとアタリが分かるようになると良いのだが,手が無意識のうちに勝手に止まったり,早まったりしてしまうと,良い針掛かりにはつながらない。
ハゲ竿を使ったビシ釣り(竿釣り+手釣り)は,水深に応じてビシ部の長さを変更出来るようにしている。主に大ビシ(12m),中ビシ(8m),小ビシ(8m)と名付けている。たいていは大ビシ1セット付けてほとんどクリアできるが,水深が有るところでは出来るだけ中ビシ,小ビシもプラスした方が底とりがしやすく,ラインが誘うときテンションがかかって針掛かりも良くなる。
天秤を使った竿釣りは40〜50号のオモリを使用するが,出来るだけ50号を使用している。竿の長さは3mクラスで,オモリ負荷が20〜30号を使用。オモリを付けて誘っている時,穂先が水面に付くか付かないかというようなセッティングがアタリを見やすく掛かりが良さそうだ。
竿釣りは両方法とも誘う時は船べりに竿を付け,固定して釣る方がカブラの動きを安定しやすい。そのため,竿受けを使用するか,船べりに濡れたタオル等を置き,竿を固定した方がよい。ついつい手で持ちたくなるが,前アタリ時に腕がクッションになり,カブラが減速してしまい,次へとつながらなくなる確率が非常に大きい。逆に針掛かりした後は船べりから離してやり取りをした方が良い。今度は腕がクッションとなり,少しでもバレにくくなるという訳である。
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