農薬のお話 社会編・報道編・誤解編−要約−

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●日本人は人間も生物も農産物も元素ではできていないと考えている。【99/12/18】
「昔はカドミウムや水銀などの重金属が危険であるといわれていた。その後,塩素やリンも危険であることがわかってきた。最近では,窒素も有害だといわれ始めた。結局,全ての元素は有害なのである。」と有機農法の信奉者がいっていた。多くの日本人はこのように「生物は元素でできていない」と思っている。

●NHKは「農薬などの化学物質」という表現の誤りに本当に気付かないのだろうか。【99/12/25】
化学物質とは物質を分子で構成されるものという側面から見た場合の表現である。分子構造で規定されているタンパク質,アミノ酸などは化学物質といえる。しかし,印刷インキといった機能で定義されている混合物を化学物質と表現することはない。単一物質であっても,赤色染料を化学物質ということはあり得ない。風邪薬や胃腸薬などの化学物質という表現が成立しないように,農薬も化学物質とはいえない。では,NHKが農薬を化学物質と記載する意図はなにか。

●不思議な言葉「化学物質」はNHKでどのように使われているのか。【99/12/25】
化審法などの法律では化学物質とは有機合成化学物質をいっている。天然物でも合成あるいは調製されていれば化学物質である。しかし,NHKはそのような使い方をしていない。NHKでは化学物質を「元素で構成されたもの」あるいは「けがれ」として使っている。このような報道が,人々の安全性に関する意識を歪めている。

●農薬や化学物質を「けがれ」とみることが本当の安全性を損なっている。【準備中】
1 ppmでも1 pptでも危険な化学物質が検出されたことに違いはない,いかに少量でも農薬や化学物質を摂取すべきではない,すべての農薬の残留基準は低ければ低いほど優れている,薬好きなのに農薬嫌い,これらの考え方を理解するキーワードは「けがれ」である。日本が化合物の安全性評価の分野で立ち後れたのは,この意識によるところが大きい。けがれに定量的な評価など適用できるわけはない。

●なぜ,文科系の人間には自然を機械的に捉える傾向が強いのだろう。【00/01/16, 00/01/17改】
文科系の人間は,自然を機械的に捉えているため,農薬に関する話などを内容を吟味せず頭にため込み,これから空論を重ねて「心地よさ」だけを基準とする概念的結論を出す傾向が強い。「無農薬や非遺伝子組換えだから安全」との議論も,ほんとうは快不快原則で考えながらそれを善悪に擬装して単純でわかりやすい基準を作りそれを押しつけたものといえる。

●食品の安全と安心;安心とは快感である。【03/01/05】
昨今,食品の安全と「安心」という表現が多用されている。たとえば,「同じ有機栽培のコメでも生産者の顔写真が貼ってあれば安心だ。」,「完全無農薬栽培のタバコだから安心だ。」,「米国産の牛肉が国産牛に擬装されていたのでは安心して買えない。」などである。このように,安心は安全の上位概念としても下位概念としても別概念としても使われている。私はこれら安心の概念の共通項を「気持ちがよいこと」だと考えている。

●「完全無農薬で栽培された健康に良いタバコ」とか「減農薬栽培の体にやさしい大麻」と聞いて変だと思いませんか。【準備中】
作物の毒性の大半は作物そのもので説明できる。しかし,「無農薬ホップを使ったビール」が売れる時代だから,そのうち「無農薬七味唐辛子を使ったきつねうどん」も発売されるのだろう。

●10年以内に生物農薬が主流になり有機合成農薬は激減するだろうと30年前からいわれ続けている。【準備中】
農薬に対する批判には車の免許を持たないものが交通規則を論じるようなところがある。ときには,車を見たこともない方もこれを論じる。

●原論文引用の原則;「伝言ゲーム」を避けよう。【準備中】
学術誌では文献を引用する場合,おおもとの文献を引用し「Aという雑誌にはこう書かれていった」という文献は引用してはならないという原則がある。環境ホルモン騒動に見られたような「伝言ゲーム」を避けるためである。NHKの報道など「いわれている」という話を辿っていくと最後は自分らの番組に行き着くのではなかろうか。

報道編
いささか旧聞ですが

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●農薬に関する報道は,外国の新聞の「日本人,幼児を誘拐」の類である。【99/12/18】
農薬には発癌性や変異原性がある。少量の残留農薬でも長期間摂取すれば体内に蓄積する。このような報道が巷にあふれている。発癌性や変異原性などは化合物の性質であり,農薬の性質ではない。犯罪をおこすのは個人であって日本人でないように。

●所沢ダイオキシン報道騒動;素人はこれだから困るよ。【99/12/01】
分析委託試験機関の業務は正しい分析値を出すことにある。そのためにはサンプリングの段階から十分な知識を有する者が試験を設計しなければならない。はたして,環境総合研究所にその能力はあるのだろうか。私は,環境総合研究所の出した分析値は捏造といって差し支えないと考えている。

●なぜNHKは環境ホルモンの報道開始を1年間も延ばしたのか。【00/02/06】
NHKが報道を始める1年前には日本の化学会社の安全性担当者はほとんどパニック状態でこの問題に対応していた。ようやく,「重要な問題であるが,若千の例外を除いて現在のわが国環境下で緊急に対応策を講ずべき事態が生じているとは考えられない。」との認識が得られ平成9年6月に報告された。NHKが環境ホルモンの報道を始めたのはその頃である。NHKには「解決手段の確定していない問題は報道しない」との基本原則があるようだ。

●マスコミが偽造した擬装科学用語に注意しよう。【01/09/25】
マスコミは正しい科学用語を曲解して科学用語に擬装した似非科学用語を創造し,あたかも科学的であるかのような議論を繰り広げている。電磁波や化学物質や有機物といった用語がこの擬装科学用語の典型で,マスコミは全く別の意味に使っている。たとえば,「化学物質」を「有害化学物質」の意味で使って議論を混乱させている。

●サリン事件に登場した「毒ガスの専門家」常石敬一教授を嗤う。【02/11/02】
1994年6月の松本サリン事件でマスコミに登場した神奈川大学経済経営学部常石敬一教授は,最初に有機リン系の農薬が原因で神経ガスが発生したといった。しかし,常石教授がそういえたのは,彼に高校生レベルの化学知識すらなかったからである。ところが,不幸な偶然として「神経ガス」だけは正しく,これによってサリンが農薬から簡単に合成できるとの常石教授の妄想があたかも真実のごとく流布され,河野義行氏が長期間容疑者にされる一因となってしまった。私は常石教授の一連の発言が初動捜査を混乱させなければ,地下鉄サリン事件は防げ,多くの無辜の市民が犠牲にならなくても済んだと考えている。しかし,NHKはいまだにこの「農薬からサリンを合成したという小説を読んだ」だけの「ただのえーかっこしー」を毒ガスの専門家と考えているようだ。

●ゴルフ場の農薬問題に隠された本当の問題 【準備中】
それは水稲の初期・初中期一発処理剤(除草剤)の問題である。この剤は全ての水田で田植え時に同時に使われ,その一部は一斉に水系へ移行する。このような重要な問題を当時のマスコミは扱わなかったが,すでに対応は終わっている。

●悪趣味な「NHK趣味の園芸」【準備中】
一般に,農薬は消費者より散布者に対する危険の方が大きい。そのため,散布者となる場合には十分な注意が必要である。ところが,NHKは趣味の園芸でのみ「最近の農薬は安全になってます」などと平気でいっている。

●いつの間に日本の農産物は外国産より安全になったのか。以前は,日本の農作物は農薬漬けだといっていたではないか。【準備中】
報道機関はどこの味方なのだろう。正義の味方だけではなさそうだ。

●農薬批判もいいが重要な専門用語は正しく使って欲しい。【ネタ蓄積中】
アメリカの政策を批評する論文に「米国総理大臣ブッシュ氏の政策は」などと書いてあったら見る気がしない。「ブッシュ大棟梁」なら笑ってすませられる。

誤解編
大ネタ集

農薬についての大きな誤解

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●いわゆる「複合汚染の問題」は生物は元素で出来ていないという妄想の所産にすぎない。【00/10/01】
いわゆる農薬の複合汚染の問題とは「複合影響の問題」,すなわち,単独では安全性が確認されている農薬であっても複数存在すれば,何らかの毒性を発現する可能性があるのではないかという疑念であろう。換言すれば,「無毒性量以下の物質が複数存在することにより非可逆的効果(毒性)が発現する可能性があるか」だが,このような事例は1例もない。作物も元素で出来ているとの認識があれば,食品成分との相互作用に比べ,農薬の複合影響などは些末な問題であることが理解できるであろう。

●農薬は人類が始めて出会う物質だから無毒化できない。【01/11/18】
哺乳動物が生体異物を代謝,分解し,無毒化する主要な機構は,チトクロームP450が関与する酸化反応とこれに続く抱合反応である。チトクロームP450は分子種毎に得意な分子の部分構造があり,そのためこの機構でほとんど全ての生体異物が無毒化され排泄される。生物は進化の過程でこのような生体異物に対する防御システムを発達させてきた。注意すべきは,生物は天然物も合成化学物質も毒も薬も全く区別しないことである。生物が必要と判断して取り入れる物質以外は全て生体異物である。こう考えれば,ヒトは天然の毒物には対応できるが,新しく合成された化学物質に対応できないといった不思議な議論の矛盾に気付くであろう。

●米軍がベトナムで散布したオレンジ剤(枯葉剤)の有効成分は2,4-Dと2,4,5-Tではない。【09/10/01】
米軍がベトナムで空中散布したオレンジ剤(枯葉剤)の有効成分は2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)と2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)ではなく,そのエステルである。化学知識のある者が米軍機が枯葉剤を空中散布している様子を注意深く見ればこれに気付くはずである。

●ベトちゃん,ドクちゃんは本当にダイオキシンの犠牲者だったのか。【準備中】
分析化学(環境化学),病理学,疫学という3つの視点で考察する。分析化学とは,どれほどの量のダイオキシンが実際にベトナムに散布され,最終的にどの程度ベト,ドクの母親がダイオキシンに被曝したかを推定することである。母親の母乳や血液などを分析すればもっとも良いデータとなるが,なぜ公表されていないのだろう。病理学とはダイオキシンが癒合双胎(シャム双生児)を生じさせる要因となりうるかどうかの考察である。「催奇性があるから奇形児ができた」というのは幼稚な考えである。タバコには発癌性があるから胃癌も大腸癌もタバコを吸ったのが原因だというのに等しい。疫学とはベトナムにおいて統計的に奇形児が増えているかという問題である。しかし,「農薬の使用量と人口あたりの脳卒中の発症率に正の相関がある」というのが単に「農家には老人が多い」と同義だったりするので,慎重な解析が必要である。これら3つの視点で同時に考えることが真実に迫る近道である。

●野生ニホンザルの奇形の原因はほんとに残留農薬だったのか。【準備中】
餌付けという行為そのものが自然破壊であり,奇形ザルはその犠牲者ではないのか。なぜ,動物園のサルには奇形が現れないのかとの視点も重要である。

●農薬は本来生物に影響を与えることが前提の化合物であるから,必然的に人間にとっても危険である。【準備中】
農薬の「性能」とは単に草を枯らし虫を殺すような活性だけではない。人や環境に対する安全性も重要な性能であり,これを含めて化合物が選択される。逆に,本来の性能だけで選択される化学品には極めて毒性の高いものがある。ジェット機のタイヤのゴムに使われる加硫促進剤が典型である。北極上空の-80℃に耐え+80℃の熱砂の砂漠の空港で使えることが要求される。強い農薬は毒性も高いという議論の誤りも指摘する。

●農薬は多くの試験に合格して登録されたものだから安全である。【準備中】
この農薬擁護派の議論は誤りである。それなら,もっと多くの試験に合格した医薬品は農薬より安全性が高いことになる。農薬の安全性のレベルはそれほど低いものではない。安全性の問題で農薬として開発できず医薬品に転用された化合物もある。

●天然物には急性毒性はあっても催奇形性や発癌性はない。【準備中】
「天然物だから安全」が誤りだとよく議論される。しかし,誰でもフグや毒キノコやトリカブトやキョウチクトウやスズランの危険性を知っている。問題は天然物には急性毒性はあっても催奇形性や発癌性などはないだろうとの誤った認識にある。

●フード・ファディズムについての1つの見解【準備中】
お昼の番組でみのもんた氏が展開する「カビの生えた餅を食べていると結核にならない。」といった論理を薬物動態学などでまじめに科学的に考察する。

●農薬会社は農薬の規制が緩い方がよいと考えている。【準備中】
農薬の規制の厳しい国といえばドイツ,オランダ,スイス,英国,米国であろう。オランダを除き,これらの国にはバイエル,BASF,ノバルティス,ゼネカ,デュポンといった大農薬会社が存在する。それはなぜか。

誤解編
小ネタ集

農薬についてよく聞く誤り

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農薬一般
●良い減農薬,悪い減農薬,普通の減農薬(1);減農薬は環境にやさしい。【00/06/04】
●良い減農薬,悪い減農薬,普通の減農薬(2);減農薬栽培の安全なリンゴ【01/04/29】
●良い減農薬,悪い減農薬,普通の減農薬(3);普通の減農薬,それは農薬会社の使命である!【02/01/13】
●木酢液は安全な天然資材である。【00/09/24】
●有機農業は農薬の売上げに貢献する。【01/04/29】
●農薬を使えば害虫も抵抗性を身につけるからどんどん強い農薬が必要になってくる。【01/05/13】
●農薬は大量にまくため安価でないといけない。【01/12/09】
●農薬の散布はいわば人体実験である。(1)【02/05/19】
●ピレスロイド殺虫剤は良い農薬,有機塩素系殺虫剤は悪い農薬である。【準備中】

毒性・安全性
●変異原性,発癌性,催奇形性を特殊毒性という。【00/03/05】
●農薬などは,たとえネズミで安全性が確かめられていたとしてもヒトで安全だとは限らない。【00/07/09】
●父親が催奇形性物質に被曝したために奇形児が生まれた。【00/11/12】
●殺虫剤は虫を殺すのだから人にも何らかの危険性があるに違いない。【01/02/04】
●農薬は本質的に生物に対し何らかの作用を有する物質だから人に対しても何らかの影響があるはずだ。【01/02/04】
●他の生物に何の影響も及ぼさない農薬など考えられない。【01/04/01】
●毒性は物質だけの特性ではない!【01/09/02】
●昔から食べてたから安全だ(1);昔って何世代ぐらい前ですか。【01/04/01】
●昔から食べてたから安全だ(2);発癌性のある食品を歴史的に排除できますか。【01/04/01】
●農薬の残留基準は大人では安全かもしれないが,体重の割に多く食べる子供では安全な量を超えてしまう。【01/08/26】
●農薬の残留基準は健康な成人について設定されており,子供や老人や病弱者の存在は考慮されていない。【02/02/17】
●ネズミは頭が痛いといわない。【02/05/19】

代謝・残留
●毒劇物取締法で劇物に指定されている猛毒の農薬が検出された。【00/03/05】
●農薬を使えば,その農薬は必ず作物に残留する。【01/04/15】
●人体はDDTを分解できない。【準備中】

環境化学

活性・使用法
●フェロモン剤は誘引捕殺に有効である。【準備中】

その他
●身土不二と不老不死の妙薬【00/10/15】
●日本人の食人思考【00/10/15】
自然の作物だから安全だという傲慢な考え【01/03/04】